アルゼンチン(Argentina)

おいおいしっかりしてくれよ!間に合うか?急げエセイサ空港まで!

※この記事は2012年8月時点の経験を基に書かれたもので、最新の情報と異なる場合が多々あります。「昔はこうだったんだな」と、近代史の勉強のような感じで軽く読み進めてみてください。

 

国際便に搭乗する際は、該当便の出発時刻の2〜3時間前に空港に到着する必要があると言われています。もし遅れたら「搭乗するまで待っててくれるのか?」「キャンセル扱いになって飛んで行ってしまうのか?」がいまいちわからないことも、不安になる要因のひとつであります。

今回は出発便に間に合うか冷や冷やした体験の投稿です。

Jさんがフライト日を勘違い

21:30が出発時刻なので、遅くとも19:30にはエセイサ空港に到着したいと思っていました。空港まではJさんが車で送ってくれることになっています。

最終日の午後、仕事から帰ってきたJさんと最後の近所散策をします。しかしJさんは一向に「そろそろ行こうか」と言いません。こちらからも催促しますが「まだ大丈夫」と言うだけで、帰宅する素振りも見せません。

当初の予定では18時にJさんの自宅を出ようと思っていたのですが、その時間近辺になっても、近所のカフェに入って寛ごうとします。さすがに焦った管理人は、

「おい、もう18時だぜ!出発しないと間に合わないぜ!19時半には空港に着かなきゃいけないんだから!」

と強めの口調でJさんに言いました。すると驚くべき答えが帰ってきました。

「え?フライト今日なの?」

なぜかJさんも驚いていました。冗談のつもりでわざと管理人を焦らせているのだと思っていましたが、本当に忘れていたようです。Jさんは昨日管理人が荷造りをしていたのを見ていましたし、「忘れ物はない?」と確認もしていたのに…。

「じゃあ急いで帰らないと!」

ようやくJさんも危機感を募らせてくれたようです。

急いでMさんの家に車を借りに行く

Mさんがマイアミから帰国したので、車はMさんの家にあります。急いで彼の家に行き、チャイムを鳴らします。そして「今すぐ車が必要だ」と伝え、キーを貸してもらいました。もし彼が留守だったらどうなっていたのでしょう?

車に乗り込み、今度はJさんの家へ急ぎます。すぐに部屋からスーツケースを取ってきて、車に積みます。先に荷造りしといて本当によかったです。あとはJさんの運転に賭けるしかありません。

こんな時でもとにかくポジティブなJさん

もう19時近くになっています。ここからエセイサ空港までは1時間くらいかかります。

市内も混雑し始めてきたので、管理人は不安で仕方なかったです。するとJさんが鼻歌のように、あるフレーズを何度も口ずさみます。

「Don’t worry. Be happy.」

いや、当事者にしてみれば不安で仕方ないのです。しかしそれを何度も聞いていると、不思議と少し安心もしてきました。そしてJさんはさらにこう言います。

「むしろ待ち時間少なくなっていいじゃないか」

管理人はこの言葉にハッとさせられました。そしてこう思いました。

『ああそうか、とにかくポジティブなんだ。この考えがラテン民族なんだ。日本人にとって時間は絶対に守るべきものだけど、海外ではそうでもないんだ。少しくらい遅れてもいいじゃないかって考えなんだ。確かにフライト時刻に誰か遅れていたら、離陸しないで待ってるもんな。そうだよ。別にいいじゃん、ちょっとくらい遅れたって。乗り継ぎする空港での待ち時間も少なくなるじゃないか』

管理人も思わず笑いました。むしろJさんと過ごせる時間が少し伸びたのです。そう考えれば、悪くない出来事だったんだと思います。

ついにJさんとお別れの時

Jさんが飛ばした甲斐もあって、20時前にはエセイサ空港に着きました。スーツケースを車から出して、本当に最後の別れの時です。

「忘れられない思い出がたくさんできたよ。来てよかった。4週間、本当にありがとな」

「また来いよ。今度はウシュアイア行こうぜ」

固くハグをしてお別れしました。Jさんが運転していく車を見送った後、管理人は空港内に向かいます。間に合っていると信じて。

Ezeiza airport

空港職員に話しかけられる

少しでも急ごうと速足で歩いていると、入口近くで4人の職員に止められました。

「へい、どこ行くんだい?」

男女4人の職員が気さくに話しかけてきました。「ここでまさかの足止め!?」と思いましたが、そうではないらしいです。とりあえず答えます。

「日本に帰るんだ」

「おー、それはグレイトだ!」

話を聞くと、スーツケースが勝手に開かないようにパック(フィルムでぐるぐる巻く)しなければならないようです。規則だから従うしかありません。パック作業中にも、彼らは気さくに話しかけてきます。

めちゃくちゃファンキーな空港職員たち

パック作業中も話は弾み、男性職員の1人が仲間の女性職員を指さしてこう言いました。

「彼女日本に行きたがってるらしいんだ。彼女と結婚して連れてってやってくれないか?」

管理人と同じくらいの歳でしょうか。しかもかなりの美人で、顔も好みです。

「いいよ。結婚しよう!一緒に行こうぜ!」

管理人はそう言うと、みんな笑いました。さすがラテン民族です。ノリが違います。話が盛り上がっていると、パック作業が終わりました。

「90ARSね」

まさかの有料作業でした(泣)。払うしかなさそうなので、残ってる現金で支払いました。

「じゃあいい旅をな!」

そう言われて、管理人は入口から空港内に入りました。本当に結婚してもよかったのですが。いえ、むしろ結婚したかったです。

まとめ

遅刻したかと思いましたが何も言われず、出国手続きは無事に済みました。国際線にもかかわらず1時間前到着で問題なかったようで、無事にアルゼンチンから出国できました。これが南米のフライトなのでしょうか。

Jさんのド忘れには冷や冷やさせられましたが、同時に彼の行動にも安心させられました。彼の言った通り待ち時間が短くなったので、結果的によかったハプニングだったのでしょう。この経験のおかげか、最近のトラブルにはかなり心に余裕を持って対応できるようになりました。すべての出来事にはやはり、何かしら意味があるのでしょう。

ラテン民族の考え方を、いつも余裕のない我々日本人は積極的に取り入れていくべきなのかもしれません。

 

それではまた!

 

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