(投稿記事の内容は2023年11月当時のものです。)
注:今回の投稿には、子供にはふさわしくない内容も記載されています。親御さんの許可を取ってからお読みになってください。
どの都市でもそうですが、結構な数の博物館や美術館が存在します。それほど長くない滞在期間では、そのすべてを巡ることなど到底不可能です。
今回ご紹介するのは、ドイツ・ドレスデンにある数多くの博物館・美術館の中で一際管理人の目を引いた「ドイツ衛生博物館」です。
ドイツ衛生博物館とは?
正式名称はDeutsches Hygiene-Museum Dresden(ドイチェズ・ハイジンミューズィアム・ドレスデン)といいます。
ドレスデン中央駅からほど近い場所にある博物館です。
管理人がなぜこの博物館を選んだかというと、「性に関するドギツイ展示物がある」という話を聞いたからです。彫刻や絵画、歴史的史料よりも興味深かったので、ここに行くことにしました。
常設展とコンテンポラリー展
入場料10€を支払って中に入ります。常設展とコンテンポラリー展(一定期間ごとの展示)に分かれているようで、どちらも見学できます。管理人が見たいと思っている「性に関する展示」は常設展にあるようなので、まずは常設展から見て回ります。
「衛生」に含まれるもの
この博物館の「衛生」には、人体の仕組みや清潔にするための器具などが含まれています。なので展示物としては、人体模型や体を清潔にする石鹸などの歴史がわかるようなものが展示されています。このドレスデンという街は早くから「衛生の街」として広く知られていたようです。
展示の説明言語
国際的な観光客も訪れる博物館ですので、当然すべての説明が英語でも書かれているかと思っていました。ですが、そうでもありません。ほとんどはドイツ語のみで書かれています。申し訳程度に英語の説明書きの箇所もありますといった感じです。
管理人はこの日1日をこの博物館の見学で過ごそうと思っていたため、最初は熱心に英語の説明書きを読んでいました。ですが医学用語が頻発しているため疲れてしまい、展示物のみを見る形にシフトしました。
お医者さんや看護師さんであれば、おそらくこの博物館の説明書きはスラスラ読めるんだろうなあと感じました。
光る人体模型
このドイツ衛生博物館には、光る人体模型があります。回転テーブルに立っている透けた人体模型の内臓が、該当の体の器官のボタンを押すたびに光るのです。
体内には電気を伝えるためのケーブルがたくさんつながれていますので、人体模型というよりは人造人間に近いかもしれません(笑)。この人体模型はこの博物館の顔とも言える展示であり、全員がボタンを押していきます。
衝撃的な映像を見られる「生と死」コーナー
人間の体の仕組みを主に取り扱う博物館ですから、当然生死に関する展示もあります。このコーナーの説明をしている壁の横にある小さなディスプレイ。このディスプレイで、管理人は人生史上最大の衝撃的な映像を見ることになります。
このディスプレイでは3分間の短いビデオが見られます。内容としては、赤ん坊が生まれ落ちる瞬間の映像が流れます。モザイクが一切かかっていない、実際の人間の出産の光景です。
映像には出産直前の妊婦が映っています。おそらく数十年前のビデオなので、それほど鮮明な映像ではありません。管理人には出産の詳細はわかりませんが、おそらく日本では分娩台で仰向けになって出産するものと認識しています。この映像の妊婦は分娩台ではなく、背もたれのない円い椅子に座っています。前部が欠けている椅子です。夫は後ろから妊婦を優しく抱き抱えています。
管理人は当然、該当の部分は見えないように編集してあるんだろうと思っていました。ですがそんなことはありません。全貌が一切隠されることなく映し出されています。陰部から体液が流れ出るところ、そして赤ん坊が出てくるところがはっきりと見えます。まさかこんな衝撃的な映像を見ることになるとは思ってもいませんでした。
お医者さんや助産師さん、看護師さん以外でこの瞬間を見たことのある人はいるでしょうか?妊婦本人ですら赤ん坊が生まれ落ちる瞬間は見たことはないはずだと、管理人は思っております。
しかもこのビデオは誰でも見られるようになっています。当然幼稚園児なども見るでしょう。36歳の管理人にとっても、かなり衝撃的な映像でした。人生でも上位3位に入るくらいの衝撃でした。
しかしビデオの内容を冷静に考えてみれば、座って分娩する方が重力もうまく利用できるため理に適っているのかもしれません。それほど妊婦が苦しんでいる様子もなさそうでしたので。分娩台で仰向けになっていきむのではなく、このように椅子に座っていきむ方が、いくらかでも苦痛なく産めるのではないかとも思いました。衝撃的な映像でしたが、非常に勉強になりました。
細菌や食事に関する展示もある
「衛生」といえばやはり細菌類や食事に関する展示も避けられないのでしょう。数年前人類を苦しめたCOVID-19の模型も展示してありました。
食事に関する展示エリアでは、食事の栄養成分、普段我々が食べている食品の製造工程などが学べます。歴史的な食器類も展示してあり、日本の食器も展示してありました。
その後は視覚や聴覚など、人間の機能に関するテストをできるような設備もあり、じっくり見ていけば何時間でも過ごすことができます。
お待ちかね、「性」の展示コーナー
ついに来ました、「性」に関するコーナーです。管理人は以前日本で、伊香保にある「珍宝館」や「命と性ミュージアム」を訪問したことがあります。
この2軒もドギツイ展示のオンパレードだったのですが、今管理人がいるのはドイツです。もっとドギツイ展示があるに違いありません。ワクワクしながら「性」の展示コーナーに入ります。
確かにそこそこ刺激的な展示ではあります。避妊具や大人用のオモチャ、刺激的な内容のポスターなどがあります。
ですが思ったほどの内容ではありませんでした。もっとドギツイ展示があるかと思っていたのにがっかりです。
後日Jさん(管理人の友人で、ドレスデン出身・在住の24歳女性)にもこのことを話しました。するとこんなことを言いました。
「子供もよく来る場所だから、ドギツイ展示は外したんじゃない?」
そうなのです。このコーナーにも子供は制限なく立ち入れますし、何より子供はこの博物館にいつでも無料で入場できるのです。あまりにも教育によくないものは除外したと考えてもおかしくはありません。
入場無料の子供のことを第一に考慮し、入場料を支払う大人をないがしろにするとは…。残念で仕方ありません。
常設展最後の「美」の展示コーナー
運動能力を測定できるコーナーを通過し、最後のコーナーは「美」に関するものです。歴史的な櫛や、髪型をアレンジする器具、化粧品などが展示されています。
コンテンポラリー展
この当時(2023年11月時点)では「Hello Hapiness」という、幸せに関する展示が行われていました。結構な数の人が訪れていましたが、「Happiness」という意味が広すぎて取っ散らかった展示であるように思いました。
管理人が唯一興味をもてたのは以下の展示です。
感情に関する記号が化学の元素周期表のように並べられています。知らない単語も多く、この場ではじっくり観賞できませんでしたが、後でじっくり見直そうと思って写真に撮りました。アイデアはとてもおもしろいと思いました。みなさんもお時間があれば、目を凝らしてこの写真を見てみてください。
地下にはキッズミュージアム
入ってみたかったのですが、入口のスタッフが怪訝そうな顔で管理人を見ていました。子供連れの大人じゃないと、とても入りにくい雰囲気です。入れなくはなかったでしょうが、スタッフの表情には勝てず、入場を諦めました。
勇気のある方は入ってみてください。
一番刺激的なものが存在するのは、まさかの売店!?
常設展とコンテンポラリー展をすべて見終わりました。正直言って消化不良感のある訪問でした。最後にお土産になりそうなものでも見ていくかと思い、売店に入りました。
多少刺激的なポスターも販売していますが、管理人の目を引いたのは「性」に関する書籍コーナーです。これも大した内容じゃないんだろ?と思って立ち読みすると、とんでもないものでした。
「どうしたらパートナーを満足させられるか?」
「体位図解」
「性器写真館」
正確な書籍のタイトルは忘れましたが、内容としてはこのようなものです。書籍内にはイラストではなく、写真がふんだんに盛り込まれています。もちろんモザイクや修正など一切ありません。管理人はこんな感想を持ちました。
「これらの書籍を「性」の展示コーナーに置いておいた方が、よっぽど刺激的なんじゃないのか?」
この博物館で一番刺激的なものは、まさかの売店内にありました。
まとめ
「性」に関する展示では正直がっかりしたものの、その他の展示ではかなり勉強になることも多かったです。管理人が訪れた日にも、たくさんの子供連れ家族が来館していました。子供たちの教育にもうってつけの場所だと思います。
衝撃的な内容のビデオもありますので、みなさんも来館した際には忘れずに観賞することをおすすめします。
それではまた!
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