アルゼンチン(Argentina)

その気持ちはとてもありがたいけど…動物好きJさんの困った親切!

※この記事は2012年8月時点の経験を基に書かれたもので、最新の情報と異なる場合が多々あります。「昔はこうだったんだな」と、近代史の勉強のような感じで軽く読み進めてみてください。

みなさんは動物が好きですか?管理人は嫌いではありませんが、触れ合うことはあまりしません。

それとは対照的に、管理人の友人のJさんはとにかく動物が好きなのです。前回の投稿からもわかる通り、Jさんの動物愛は留まることを知りません。

渓谷とワインを味わうツアー!アルゼンチン北西部(カファヤテ編)

今回はそのJさんに関する投稿です。

とにかく動物好きなJさん

店で飼われている犬や猫は言わずもがな、道で見かける野良犬や野良猫、さらには愛玩動物ではない羊やリャマであろうが、とにかく触れ合うのがJさんです。

Jさんと猫 (1)

Parador Posta de Las Cabras

Jさんとリャマ

声をかけて愛情いっぱいに撫でまわす様子は、見ていて大変ほほえましいです。撫でられている動物もうれしそうです。「見かける動物に1匹残らず愛情を注いでいる」と言っても過言ではありません。

さらに言えば、彼は動物だけでなく人間にも大変好かれています。ニュージーランド留学中も、彼は学校一の人気者でした。彼のことを悪く言う人は一人もいなかったと思います。従来の明るい性格、人を楽しませるサービス精神に加えて随所に見せる親切さが、彼を誰からも好かれる人間にしているのでしょう。

そんな彼と過ごす時間はとても楽しかったので、わざわざ地球の反対側にまで会いに行きたいと管理人が思ったのは、至極当然のことでした。

しかし管理人にはどうしても、このJさんの行動でモヤモヤすることがあったのです。

Jさんは本当に親切

街を散策していて空腹になれば、何か食べようってなりますよね?スペイン語がわからない管理人のためにJさんが注文・支払いをして、さらにテーブルへの運搬までもやってくれます。管理人は席を確保するという体で座っているだけなのですが…。

再三言っておきますが、Jさんは本当に親切なのです。

でもその親切な行動を素直に喜べない…

テーブルまで運んでくれた食べ物を食べようとするときにも、Jさんは持ち前の親切さを如何なく発揮してくれます。そう、シェアする作業までやってくれるのです。

屋台などで売っているパンを食べようとするときに、Jさんは手でちぎって管理人の皿に載せてくれます。管理人はまるで赤ん坊のように、自分の皿に載せてもらったものを食べるだけでいいのです。

そうです。すでにお気づきでしょうが、問題はここにひそんでいます。

手、洗ってないよね…?

Jさんは道中で見かけた動物に必ずといっていいほど触ります。そしてそのままの状態で、何か食べる状況になります。Jさんはトイレにもあまり行かないため、手を洗う機会はありません。

それは本当に真実なのか、管理人はJさんの様子を観察していました。

『移動中に野良猫を見かけた。それに触ってたな…』

『俺はトイレに行ったけど、Jさんはトイレの外で待ってたな…』

『食べ物買ったけど、やっぱり手洗ってなかったよな…』

確認しました。やっぱりJさんは手を洗ってません!

つまり、今この皿の上に載っている食べ物には野良猫の成分がたっぷり付着していることが証明されました。

choripan

Jさんが選ぶメニューが素手で触る必要があるものばかり…

だいたいJさんが「あれを食べよう」というときには、メニューはサンドウィッチやパンなど、素手で触る必要のあるものが多い気がしました。アルゼンチン名物を食べるせっかくの機会なので、仕方ありませんが…。

意を決して意見してみる

サルタのペーニャで食事をしたとき、お代わり自由のバゲットがテーブルの上にありました。ここでもJさんは持ち前の親切さを発揮して、バゲットをちぎって管理人ともう一人の友人の皿に載せてくれます。

ここに来るまでの道中で、Jさんが野良犬にばっちり触っていたのを見ています。そして手も洗っていません。管理人のアルゼンチン滞在はまだ1週間以上残っていたため、ここではっきり言っておくのが今後の自分のためでもあります。

「パンを取り分けてくれたのはありがたいんだけどさ…。さっき野良犬触ってたよね?手、洗ってないよね?」

ついに管理人は自分の正直な意見をぶつけました。Jさんが気を悪くするかもしれないし、楽しい食事の空気が悪くなるかもしれないと不安でした。Jさんが口を開きます。

「なんだそんなことかー。平気っしょ?別に腹痛くとかならなかったろ?気にすんなよ!」

問題解決しなかったーー!Jさんは悪びれる様子もなく笑っていますし、もう一人の友人も笑っています。そうです。彼の言う通り体調も悪くなってないし、何も問題は起きていないのです。考えようによっては、むしろワクチン接種をしたようなものなのです。

「はっはっは、そうだよなー。気にしてた俺がちっちゃいちっちゃい!」

管理人も笑いました。神経質な日本人に必要なのは、この大らかさと陽気さなんだと思いました。これくらい余裕のある人間になれるように、見習わないといけないのでしょう。

おまけ:アルゼンチン北部には猫がいない!?

動物つながりで気になったことがもうひとつありましたので書いておきます。

サルタ近郊のアルゼンチン北部を旅行中、野良犬ばかり見かけることに気づきました。首都ブエノスアイレスにいたときには野良猫もよく見かけたのに、この地方ではまったく猫を見かけていなかったのです。疑問を持った管理人はJさんに訊いてみました。するとこんな答えが返ってきました。

「犬が猫食っちまうからだよ」

本当かどうかはわかりませんが、それが真実であるかのように猫は全然見かけなかったのです。信じるか信じないかはあなた次第です。

ブエノスアイレスの野良猫 (1)

ブエノスアイレスの野良猫 (2)

まとめ

管理人が自分の意見をぶつけた後もまったく変わることなく、Jさんは持ち前の親切さを発揮し続けてくれました。野良犬や野良猫を撫でまわした手で、パンをちぎって分けてくれました。しかしそれでも、管理人は一度も腹痛や原因不明の体調不良に悩まされなかったのです。結果、Jさんの行為は何ら問題のないことだったのです。

そんなJさんは一体、コロナ禍の時代をどうやって過ごしていたのでしょうか?何度も手を洗うようになったのでしょうか?店に入る前にきちんとアルコール消毒するようになったのでしょうか?それとも動物に触ること自体を止めたのでしょうか?

10年以上Jさんと会っていないので、真相はわかりません。もし再会することがあったら、コロナ禍を潜り抜けた今、昔のように変わらず食べ物をちぎってくれるのでしょうか…?

彼はきっと今でも、親切な人であるに違いありません。また会いたいものです。

 

それではまた!

 

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ブログには書けない裏話も満載!当時の感情のまま書き綴ったアルゼンチン滞在記の英語版はこちらからどうぞ

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