-35℃って人間が過ごせる気温じゃないよな?一体どうやって生活してるんだ?
前回の投稿で、-35℃にも達するカナダ・サスカトゥーンの寒さについて書いてきました。
-35℃ってどんな寒さ!?凍傷リスクがすぐそこ、サスカトゥーン!
管理人にとってはとてつもなく過酷な環境なのですが、それは管理人が弱いからそう感じるだけなのでしょうか?せっかくなのでサスカトゥーン市民に、生の声を聞いてみることにしました。
寒さに対するサスカトゥーン市民の意見
サスカトゥーン市民(管理人の元彼女)に、冬はいつもこれくらい寒いのか聞いてみました。
「だいたい毎年こんなもんだよ。-40℃とか-50℃になる日もあるし、-20℃くらいなら全然暖かいくらい。でも外でのアクティビティとかはしないけどね。地元民でもちゃんと寒さは感じるから」
はい、サスカトゥーン市民もちゃんと寒さを感じる同じ人間です(笑)。ただ精神的に過酷な環境に慣れているだけのようです。続いて、冬の週末や休日は何をしているのか聞いてみました。
「部屋でNetflix見たり、ゲームしたりしてる。人によっても違うだろうけど、あまり積極的には外出しないね。だって寒いもん」
日本人と同じです。もはや外出しなくても部屋の中で楽しく過ごせる時代です。でもずっと部屋の中にいては暖房代がかかるのではないでしょうか?その点について尋ねます。
「ああ、その心配はないよ。部屋の暖房は使い放題だから。だって家賃の中に暖房費含まれてるからね」
ここ重要です。賃貸物件の暖房費は家賃に含まれているので、いくら使ってもタダです。管理人はサスカトゥーンで2軒の宿に滞在しましたが、いずれの宿も暖房は使い放題でした。特に最初の宿では個人の部屋に暖房を切るスイッチが存在せず、暑いと感じた時には窓を開けて暖気を外に逃がしていたくらいですから。地球に全然優しくない仕様です(笑)。
じゃあ冬のサスカトゥーンは、常に暖房がついてる状態ってこと?
その通りです。これも考えれば当然といえます。いくら二重窓や断熱効果の高い家の造りになっていたとしても、-30℃の外気に常にさらされていたらどうでしょうか?室内だって-10℃や-20℃には下がってしまいますよね?
これでもし日本のように、「燃料代が高いから暖房はつけずに着る物でなんとかする」という人ばかりだったらどうなりますか?死者ばかりになります。さすがにそれでは市民生活が成り立ちません。定住者を増やすための政策として、賃貸物件契約者に暖房費を負担させないようにしていると思われます。
どうですか?家賃が月5万円なのに、暖房費が月15万円とか請求されたら?誰もそんなところに住みたいわけがありませんよね?そういうわけで、もしカナダに物件を借りて住みたいと思っている方は安心してください。少なくともサスカトゥーンでは、暖房費は家賃に含まれているので常時使い放題です。
逆に物件所有者は注意が必要です。常に暖房を住人に供給しなければならないのですから。もし暖房が1日でも壊れたら、住人が死亡する可能性すらあります。どんなに燃料代が高騰しても、ボイラーの修理費にとんでもない額がかかったとしても、暖房だけは常時供給しなければなりません。水道と同等、いや水道よりも最優先に考えなければいけないライフラインです。たとえ壊れていた時間が短くても、死の可能性が常につきまといますのでご注意を。
宿の周りを散策したとき、至る所で蒸気が上がっていました。サスカトゥーンのどの建物にも、ボイラーが備え付けられているからです。エアコンを稼働させ続けるより安く済むからだと考えられます。
もしサスカトゥーンで賃貸物件業を営むつもりの方がおりましたら、くれぐれも暖房設備の取り扱いにはお気をつけください。壊れても迅速に修理できる環境づくりを忘れないでください。
雪が積もりすぎたら仕事にも行けないんじゃ?
-20℃の気温が続いていれば、当然雪は溶けることがありません。晴れていても寒いですから雪は溶けません。天気が悪ければ、雪は積もる一方です。当然、何十cmも雪は積もります。
車道は除雪車が頻繁に除雪していますが、すべての車道が除雪されるわけではありません。小さな路地は住民が自身で雪かきする必要があります。それに、車道から除雪された雪は歩道に積まれます。質量保存の法則が成り立ちますから、除雪された雪は消えるわけではありません。ただ存在する場所が変わるだけです。
管理人の元彼女に聞いてみました。
「平日の朝の通勤は雪かきから始まるね。まず車にうず高く積もった雪を落として、車の周りの雪かきをする。特に、マフラー排気口は入念に。その後にエンジンをかけて暖気する。20分ほどかけて雪をかいたらようやく出発。できるだけ轍を通って職場に行くよ」
ですが-40℃や-50℃の日もあります。そういう日は出発準備の雪かきすら命にかかわる危険行為です。死亡労災事故の原因が、出発前の雪かきであっていいはずがありません。さすがに大多数の社員が出勤不可能であれば、リモートワークに切り替えたり休業にしたりするようです。ここサスカトゥーンでも数日間連続で-40℃や-50℃になることはないらしいので、翌日は出勤になることが多いようです。もともとリモートワークができる職種であれば、雪の多さはあまり関係ないかもしれませんが。
ホームレスも存在します
サスカトゥーンにもホームレスはいます。元彼女と歩いていた時、ホームレスが「小銭をくれ」と言ったようなジェスチャーをしてきました。しかし元彼女は「小銭は持ってない」と断りました。クレジットカード社会のカナダでは、支払いに現金を利用する人はもうほとんどいません。お釣りの小銭を手に入れることもほぼ不可能な状況です。
そんな状況で家のない人はどうやって過ごしているのでしょうか?日本のように屋外で夜を明かしたら、翌朝にあの世行きは免れません。ホームレスは冬の間どうやって夜を明かしているのか、元彼女に尋ねました。
「たぶんシェルターとか避難所に寝泊りしてるんじゃない?さっき要求された小銭も、バスに乗るために必要だったみたいだし」
なるほど。ちゃんと暖かく寝泊りできる場所があるんですね。ならばずっとシェルターにいればいいのに、と思うのは管理人だけでしょうか?さすがに食料は自分で調達しなければならないので、寒い中凍傷や死亡のリスクを冒してでも昼間に活動するのでしょうか?まったくもって大変です。
ちなみにサスカトゥーン滞在中に、野良猫や野良犬などはまったく見かけませんでした。恒温動物が屋外で生存できる環境ではないからでしょう。恒温動物はペットとして生きていかなければ、このサスカトゥーンでは生存できないのでしょう。
まとめ
寒い日の過ごし方は日本とほぼ同じです。部屋に籠って動画を見るのがサスカトゥーン市民のスタンダードのようです。日本と違って暖房が使い放題なのがいいですね。(しかし出勤日には、毎朝重労働の雪かきから始まる日常を受け入れなければなりませんが…。)
ボイラーは文字通り生命線です。持ち家の人はボイラーが絶対に壊れないよう、もし壊れてもすぐに直せるよう環境を整えておきましょう。寝てる間に壊れたらそのままあの世行きですよ…。
過酷なカナダ・サスカトゥーンの冬の生活をお届けしました。世界にはこれほど寒い場所で生活している人もいるのです。ここに比べれば、日本のほとんどの場所はだいぶマシではないでしょうか?寒さに耐えきれなくなったら、このブログ記事を思い出してください。きっと頑張る気力が湧いてきますよ。
それではまた!
ブログには書けない裏話も満載!当時の感情のまま書き綴ったカナダ滞在記はこちらからどうぞ
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