「日本人いない」国際大会の中・長距離種目に日本人を送り込むための応援記事

消化試合の予選や準決勝は必要?陸上競技はタイムレース決勝でいい

どのスポーツであれ、勝ち抜いていけばそれだけ試合数も多くなっていきます。対戦型のスポーツであれば優勝者が決定するまで試合をし続けるしかないですが、記録型のスポーツであればそんな必要もないと思います。

予選や準決勝は時間も無駄だし、選手のためにもならない

陸上競技では5,000m以下のレースの場合、予選や準決勝が設けられています。参加人数多数のためやっているのですが、このシステムはいい加減見直すべきだと思っています。

陸上競技は距離が長くなるにつれラウンド数は少なくなる傾向になりますが、それでも10,000m以外のレースには予選が設けられています。1,500m以下になると準決勝まで設けられていて、優勝するためには同じ種目で3回も走らなければならないのです。

単純に勝敗を決するための日程も長くなりますし、選手の負担も大きすぎます。

予選や準決勝は単なる消化試合になる

まず参加者をふるい分けるのが予選です。だいたい「各組の先着〇名」という進出条件が設定されているため、各組2着や3着までが準決勝進出となっていることが多いです。中長距離では先着5~8名となっていることもあります。決勝進出の条件も似たようなものになっています。

お気づきになったでしょう。このシステムでは強者ほど消化試合になってしまうのです。予選や準決勝では、次戦進出の順位にさえ入ればタイムに関係なく勝ち残ることができます。ある程度の力を出せば勝ち残れるので、100%の力を出す必要はなくなります。

当然持ちタイムが遅い選手では、予選を通るだけでも100%もしくはそれ以上のタイムを出すことが求められます。仮に予選をなんとか勝ち残ったとしても、疲労困憊状態の選手と余裕のある選手では競技パフォーマンスが違うのは当然です。

もちろん何が起こるのかがわからないのがスポーツなので、優勝候補が予選敗退したり、下位のランキングにいる選手が決勝に残ったりすることもあります。ですが毎回毎回、消化試合になりがちな予選や準決勝を行う必要があるのでしょうか?

一発決勝で力を出すのと、すでに2回走った後に力を出すのはどちらが出しやすいですか?当然100%体力が残ってる一発決勝ですよね?

予備予選や敗者復活ラウンドまで設けられているときもある

予選・準決勝だけでも無駄なのですが、大会によっては予備予選や敗者復活ラウンドなど、さらに余計な回数走らなければならないことがあります。

予備予選は派遣設定標準記録に満たない参加国の選手のために、オリンピックなどで設定されます。まず予備予選を走り、上位の記録を残した選手が予選に進むことができます。つまり可能性として、予備予選・予選・準決勝・決勝の4回を走ることもあり得るわけです。

しかも今回のパリオリンピックでは、敗者復活ラウンドなるものが新設されました。200m〜1,500mの距離のレースで、予選で敗退した全ての選手に敗者復活ラウンドで走る権利が与えられるというものです。「誰にでも走るチャンスが2回ある」という意味では選手にとって得だと思うかもしれませんが、最大で4回も走らなければならないのは過酷すぎます。

複数種目に出場する選手にとってはありがた迷惑のシステム

予選通過すら厳しい日本人選手にとって、敗者復活ラウンドはありがたいシステムかと思われるかもしれませんが、事はそう単純ではありません。というのも陸上競技では、複数種目に出場する選手がいるからです。

800mと1,500mなどの距離が近い種目は兼ねやすいです。世界の超人の中には、今回のパリオリンピックで5,000m(銅メダル)と10,000m(銅メダル)とマラソン(金メダル)の3種目に出場する強者もいました。

しかし今回のオリンピックでは、400mを主戦場としている選手は相当数走らなければならない可能性がありました。400mを主戦場とする選手が出場する可能性のある種目は、200m・400m・800m・400mハードルさらにはマイルリレー(4x400m)があります。しかもマイルリレーには、男女別と男女混合のリレーがあります。

400mハードルの国内記録保持者であれば、当然ハードルなしの400mも速いはずです。となると400mと400mハードルで4回ずつ、さらに予選と決勝が設定されている男女別と混合マイルリレーを2回ずつ走る可能性があります。つまり、400mの距離を12回です。

もちろんこれは理論値なので、ここまで体を酷使して出場する選手はいないと思います。ですがメダルを狙える実力者が予選時だけ調子が悪く通過できなかったという場合、敗者復活ラウンドからやり直す必要があります。その場合マイルリレーは回避するかもしれませんが、その国の主力選手であるのは間違いないので走る可能性はあります。

敗者復活ラウンドを回避した成功例

今回のパリオリンピックでは、予選落ちの場合敗者復活ラウンドでやり直すかどうかが鍵になります。400m予選で落ちてしまった日本選手3人は400mの敗者復活ラウンドを回避し、マイルリレーの予選突破に賭けることにしました。結果マイルリレー予選で日本新記録を樹立し、見事決勝進出を果たしました。そして決勝ではアジア新記録も樹立しました。

「体力を浪費するだけの敗者復活ラウンドを回避したことは正解だった」と選手も言っていました。疲れを抱えたままでどうにかなるレベルではなかったので。

敗者復活ラウンドをあえて利用した成功例

「日程的に予選を通過するより、敗者復活ラウンドに回った方が得だ」と考えた選手もいました。男子110mハードルは、「予選を通過すると準決勝まで3日も空いてしまう」という謎の日程でした。敗者復活ラウンドを経れば、翌日準決勝、翌々日決勝という今まで通りの日程で競技が行えるのです。

アメリカのある選手は、ピークコンディションへ持っていくための調整という意味で、あえて予選を最下位で終えました。2日後の敗者復活ラウンドで見事通過するという作戦は見事成功し、翌日の準決勝も通過、決勝6位という成績を収めました。

ただし敗者復活ラウンドのない今まで通りの日程であれば、こんなことはしなかったでしょう。余計なシステムにうまく対応できた稀有な例です。

フィールド競技はいきなり決勝でいい

なぜこんなシステムを採用しているのかはわかりませんが、フィールド競技も予選と決勝が分けられています。さすがに準決勝や敗者復活ラウンドなどはありませんが、それでも予選と決勝を分ける理由がわかりません。

大抵のフィールド競技では3回の試技が与えられていて、決勝進出ラインの記録を超えるか上位(8~12名のことが多い)に入ると予選を通過できます。予選を通過すると後日行われる決勝で6回の試技が与えられます。

これが意味不明なのです。予選時に6回試技を行い、最高記録を出した人が優勝でいいじゃないですか?事実地方大会などでは全員に試技が3回、上位(大抵は8名)選手に追加で3回の試技が与えられます。つまり、予選の記録も有効なまま決勝に臨めるのです。この場合、1〜6回目のいずれの試技でも、最高記録を出した試技が最終記録として認められます。

しかし、予選と決勝の日時が分かれている場合は違うのです。仮に予選で世界記録を出してぶっちぎりで通過しても、決勝で最高記録が出せなければ優勝にはならないのです。予選で出した記録はカウントされず、最終順位にはまったく反映されないのです。予選で力を使い切ってしまうとダメなのです。

走り高跳びと棒高跳びではもっと酷いです。予選通過記録が設定されており、それを跳んだ時点で決勝に行けますが、後日の決勝ではその記録より低いものから開始されるのです。今回のパリオリンピックの男子走り高跳びでは2m27cmを成功すれば決勝進出で、後日の決勝は2m17cmから始まりました。つまり、跳び直ししなければならない高さがあったのです。

一発決勝であれば自然な流れのまま優勝者が決まるのに、「一度仕切り直して流れを切り、数日後の決勝にもう一度ピークを持ってこなければならない」という最悪なシステムなのです。当然疲れも溜まります。

なのでフィールド競技は、一発決勝でいいと思います。運営側の準備と片付けも1回で済むのですから。

トラック競技もタイムレース決勝にすべき

地方大会ではとても便利な「タイムレース決勝」というシステムがあります。これは何かというと、「全員が1回目のレースの記録をもって優勝者を決める」というすばらしいシステムです。

予選や準決勝という消化試合がなくなるため進行も早く、選手も100%の力で決勝に臨めます。一発決勝なので、複数組がある場合にはその組だけで勝てばいいわけではなくなります。他の組の選手の記録も上回らなければならないため、特に中長距離で起きがちな牽制が一切なくなります。スローペースになってしまっては、他の組の選手に優勝をかっさらわれてしまいますので。このため、持ちタイムが遅い選手もハイペースで引っ張ってもらうことができ、自己ベストが出せる可能性も高まります。

さらに言えば、観戦者にもメリットがあります。牽制が起こりがちなスローペースの消化試合のレースを見させられることがなくなりますので。

「タイムレース決勝」は、開催側にも選手側にも観戦者側にも画期的なシステムなのです。

屋根・空調機能ありの競技場でできないのか?

そうは言っても100mや幅跳びなど、どうしても風の影響を無視できない競技もあります。だからいっそのこと、すべての国際試合は屋根・空調機能ありの室内で開催すればいいと思うのです。

なぜかはわかりませんが、陸上競技では屋外記録と屋内記録で記録が厳密に分けられているのです。

現在の地球の気候状況を見れば、「北半球の夏季オリンピックで、気温が上がる日中はとても競技ができる状況ではない」と誰もがわかっています。常に屋根を閉め切って室温を15~20℃に設定することで、気温・雨・風の影響を一切受けなくなります。観客も一定の気象条件で観戦できるため、誰にとってもいいと思うのですが。やり投げなど、どうしても風の影響が必要な場合にはその種目だけ屋外の競技場でやれば文句はないでしょう。

文明も技術も進化しているのに、その機能を使わずいつまで謎の慣習にこだわっているのでしょうか?屋外記録は過去の参考記録として残しておけばいいじゃないですか?もうそんな時代遅れの、「屋外記録と屋内記録を区別する」制度はなくしてもいいと思うのです。

十種競技はすべて一発決勝

陸上競技で最も過酷と言われる十種競技(女子は七種競技)では、すべてが一発決勝です。「走る・跳ぶ・投げる」の競技がすべて詰まっており、上記に挙げた問題もすべてクリア(無視?)して進行されます。

十種競技 - Wikipedia

トラック種目はすべてタイムレース決勝ですし、100mと110mハードルでは追い風でも記録は認められ(得点計算は複雑になりますが)、フィールド競技では全員に試技3回が与えられます。これでちゃんと世界陸連の公認記録となるのです。

「キング・オブ・アスリート」と言われる十種競技で、「一発決勝」「タイムレース決勝」「追い風問題」がすべて問題なく執り行われています。なので、「他の競技には適用できない」という理由が単なる言い訳であることがわかります。

まあ単純に、十種もある競技に予選など設けたら誰も参加しなくなるとも思いますが…。

結論

以上より、陸上競技では「一発決勝」「タイムレース決勝」を国際試合でも採用して、無駄な運営時間と選手の体力消費をなくすべきなのです。願わくば「屋根・空調付きの屋内」で行うことで、風の影響もなくすべきです。そうすれば開催期間も半分以下の日数で済み、運営コストも大幅に減らすことができます。選手・運営・観客の誰にとってもメリットしかなく、すでに導入されている実績あるシステムなのです。なぜ採用されないのかが理解できません。

メジャーリーグでもピッチクロックの導入など、スポーツの試合時間は世界的にも短縮を図る流れになっているのです。陸上競技もその流れに乗るべきでしょう。長引いていいことなど、ひとつもないのですから。

次回の国際大会から「一発決勝」「タイムレース決勝」で開催されることを強く願っています。

 

それではまた!

 

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