「コンチネンタルサーカス…か。ムネがキューンとなるぜ。まるで初恋をしてるみたいだ…」
知っていますか、このセリフを?そうです、「バリバリ伝説」の一コマで呟かれているセリフです。初めて読んだときにはまったく意味がわかりませんでしたが、何十年も心に強く残っているセリフなのです。
今回は「コンチネンタルサーカス」についての投稿です。
バリバリ伝説
1983~1991年に週刊少年マガジンで連載されていた、オートバイ競技を題材とした「しげの秀一」氏による漫画です。
CB750Fを駆る高校生主人公の「巨摩郡」が速さを追い求め、ノービスを経て日本GP、世界GPへと挑戦していく青春劇です。この作品の第3部である「世界GP編」にて、冒頭のセリフが出てくるのです。
コンチネンタルサーカス
同名の3Dレースゲームがありますが、ここではまったくの無関係です。
冒頭のセリフは世界GP参戦中の巨摩郡を取材する、日本の男性プレスが呟いた言葉です。彼の気持ちをわかりやすく説明すると、「世界GPで開催される全レースを観戦したいなあ」ということです。「コンチネンタルサーカス」とは、世界数か国を転戦していくモーターレースを言います。こんな比喩を使って登場人物の心情を表現するなんて、作者はなんと文学的なのでしょう。
管理人も昨年(2023年)にヨーロッパを巡った際、この「コンチネンタルサーカス」をしようか真剣に検討してみました。ですがバリバリ伝説は大好きでも、実際のモーターレースにはそれほど興味がありません。なのでレースは関係なく、サーキット場のみ訪問するという予定で計画を立ててみました。しかし各国に散らばるサーキット場をすべて訪問するのは到底不可能そうでした。「行けるところだけでも行くか?」と思ったりもしましたが、結局自分の旅のコンセプトと合わないため断念しました。
バリバリ伝説で巡ったサーキット場
作中の設定では、1987年に全13戦のレースを行っています。ここで描かれているサーキット場はすべて実在し、当時の名称と所在地が使われています。以下の図が、レース開催順とサーキット所在地をまとめたものになります。
物語を深めるためヨーロッパ諸国の他、アメリカや日本でもレースが開催されています。ここからは各サーキット場を紹介していきます。
第1戦:スペインGP(ハラマ)
首都マドリードの北部に位置するサーキット場です。マルタに滞在中スペイン出身の人と話す機会があったのですが、その人はこのハラマサーキットの存在すら知りませんでした。
管理人はモロッコ・タンジェからスペインに入り、ドイツを目指してヨーロッパを北上していくという幻の計画を立てていました。ちょうど「コンチネンタルサーカス」としては最高の滑り出しになるはずだったのですが、スペイン人にとっても馴染みがない、さらにはマドリードからのアクセスもよくないということで断念しました。
結局スペイン自体を回避したため、まったく訪れる機会もなかったのですが…。
第2戦:西ドイツGP(ホッケンハイム・リンク)
連載当時は東西ドイツに分かれていたため、「西ドイツGP」でした。ハイデルベルクの南西部に位置するサーキット場です。
ドイツに行くことは決めたのですが、滞在地は東ドイツのドレスデンに決めていたため、フランス国境にほど近いホッケンハイム・リンクを訪れることはありませんでした。ドイツは結構広いんですよ…。
第3戦:イタリアGP(オートドローモ・ミサノ)
リミニ南東部、アドリア海にほど近い位置にあるサーキット場です。
イタリアを北上する幻の計画でも、このエリアに行く可能性は皆無でした。「コンチネンタルサーカス」はなかなかうまくいかないものです。
第4戦:フランスGP(ポール・リカール)
マルセイユの東部に位置するサーキット場です。
実はここ、幻の計画上でも相当近付ける場所だったのです。想定ルートはバレアス海沿いを北上していく予定だったので、訪問も不可能ではない立地でした。しかしその計画が露と消えた以上、ポール・リカールの訪問可能性も消え去りました。
このポール・リカールはせひとも訪れたかったサーキット場なのです。1987年当時の「500ccワークスマシンの6速が吹けきる」という、とんでもなく長いストレートを見てみたかったのですが…。現在のマシン性能ではそんなこともないのでしょうかね?
第5戦:ベルギーGP(スパ・フランコルシャン)
フランコルシャンの南東部に位置するサーキット場です。
なんとこのサーキット場、連載当時はコースの一部が公道でもある、世にも珍しい造りになっていたのです。レース開催時以外は一般車両もサーキットコースの一部を走れたなんて、なんと魅力的ではないでしょうか?現在では公道部分はなくなったようです。
ベルギーにはまったく行く予定がなかったので、訪問可能性は初めからゼロだったわけですが…。
第6戦:オーストリアGP(ザルツブルグリンク)
ザルツブルク東部に位置するサーキット場です。
幻の計画ではオーストリアを通る予定もあったのですが、公共交通を利用するルートがうまくつながらず嫌気がさしました。そのためヨーロッパ北上の計画は露と消えました。ドレスデンに向かう道中としては悪くない場所にあったのですが…。
第7戦:イギリスGP(ドニントンパーク)
キャッスル・ドニントンの南西部に位置するサーキット場です。
イギリスに行く予定はまったくなかったため、訪れる可能性はゼロでした。
第8戦:オランダGP(ファン・ドレンテ)
アッセンの南部に位置するサーキット場です。
オランダに行く予定はまったくなかったため、訪れる可能性はゼロでした。
第9戦:ユーゴスラビアGP(アウトモトドローム・グロブニク)
連載当時はユーゴスラビアという国だったため、「ユーゴスラビアGP」でした。現在のクロアチア、グロブニクの東部に位置するサーキット場です。
もしもイタリアのミサノに行っていれば、アドリア海を突っ切るというルートで訪れられたのでしょうか?
第10戦:スウェーデンGP(スカンジナビアンレースウェイ)
アンデルストープの南西部に位置するサーキット場です。
まさかの北欧での開催です。とはいえスウェーデン首都のストックホルムからよりも、隣国デンマークの首都コペンハーゲンからの方が近いという立地です。
スウェーデンに行く予定はまったくなかったため、訪れる可能性はゼロでした。
第11戦:チェコスロバキアGP(アウトモトドローム・ブルノ)
連載当時はチェコスロバキアという国だったため、「チェコスロバキアGP」でした。現在のチェコ、ブルノの西部に位置するサーキット場です。
チェコの首都プラハに行っていたとしても、遠く離れたブルノまで足を伸ばしたかは疑問です。
第12戦:アメリカGP(ラグナ・セカレースウェイ)
モントレー東部に位置するサーキット場です。
「コンチネンタルサーカス」はヨーロッパを離れ、アメリカ西海岸までやってきました。数年前にメキシコから日本に帰国する際、ロスアンゼルスからサンフランシスコまでのフライトが含まれていました。そのフライトの際、このラグナ・セカ上空を通過したのかもしれません。
しかしこのサーキット場に足を運ぶ機会はないでしょう…。
第13戦:日本GP(鈴鹿)
三重県鈴鹿市にある、日本最高峰のサーキット場です。
物語では最も盛り上がる最終戦を鈴鹿に持ってきていましたが、本物の「コンチネンタルサーカス」で日本開催のレースがあるのかは定かではありません。
「管理人はどうせ、ここも行ったことがないんでしょ?」と、みなさんはお思いでしょう。しかし、この鈴鹿サーキットだけは行ったことがあるのです!しかも本物のモーターレースを見に!
友人の賞品で観戦できた鈴鹿8耐
2005年、隣県で開催されていた愛知万博を訪れる前日に「鈴鹿8時間耐久ロードレース」(通称:鈴鹿8耐)を観戦しに行きました。なぜなら無料観戦チケットが手に入ったからです。
このレース開催前に、免許センターで開催された「二輪車安全運転大会」という大会がありました。その大会の「少年の部」の優勝賞品が、この鈴鹿8耐の観戦チケットだったのです。管理人は高校時代のクラスメートと共に参加し、そのうちの1人がなんと優勝しました(管理人は順位すら発表されない酷い成績でしたが)。その観戦チケットは最大6人まで入場できるというものでしたので、その友人たちとツーリングを兼ねて鈴鹿サーキットに向かいました。
バリバリ伝説では「鈴鹿4耐」と「日本GP編」に「世界GP編」の最終戦でも走った、この物語のホームコースとも言える鈴鹿サーキット。長いバックストレートとホームストレートが特徴の高速サーキットです。
コースを走ることはできませんでしたが、前夜のパレードでなぜか途中から先頭を走ってしまったのもいい思い出です。(駐車場を探していてたらい回しされ続けていた結果、いつの間にかパレードの先頭に合流させられてしまったという、本来のパレード参加者からしてみれば申し訳ない体験をしました。)
そんなうれしい誤算もあった翌日、人生初のモーターレースを観戦しました。8時間は思っていたよりも長く途中退場も考えましたが、やはりチェッカーフラッグが振られた瞬間は感動しました。人生で唯一、思い出があるのが鈴鹿サーキットなのです。
まとめ
連載当時とは名称も、所在する国名すら違う世界のサーキット場。元来モーターレースにそれほど興味のない管理人にも、訪れてみたいとの憧れを持たせる「コンチネンタルサーカス」。
ざっと計画してみただけですが、公共交通機関のみの利用では辿り着けない場所が多かったです。なので、レンタカーを借りて自分で運転したほうが確実だと思いました。海外では決して運転しないと誓っている管理人も、「コンチネンタルサーカス」の際には国際免許を取得する必要があると思いました。
ヨーロッパ周遊をする予定で日程に余裕のある方は、「コンチネンタルサーカス」も検討してみてはいかがでしょうか?「コンチネンタルサーカス」をすると決めたなら、ぜひ「バリバリ伝説」を読んでから行ってみてください。「ムネがキューンとなる、まるで初恋をしてるみたいな」感覚を味わえることでしょう。
それではまた!
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