※この記事は2011年9~12月時点の経験を基に書かれたもので、最新の情報と異なる場合が多々あります。「昔はこうだったんだな」と、近代史の勉強のような感じで軽く読み進めてみてください。
みなさんは自分が話すスピードのことを考えたことがありますか?管理人の個人的な意見100%ですが、日本人の話すスピードは世界の中でもかなり遅いと思っています。
では、話すスピードが世界一の国はどこなのでしょうか?諸説あるようですが、ニュージーランドが世界一とも言われています。
今回はそんなテーマでお送りしていきます。
ニュージーランドの英語は世界一早いのか?
ニュージーランドの英語は他の英語話者の国に比べて、話すスピードが早いと聞いたことがあります。本当のところはどうなのか?と調べてみたところ、以下のリンクを見つけました。
この研究によると、1分間のスピーチで入る音節の数が他国よりも多いそうです。もしあなたが「ニュージーランドの英語は早くて聞き取れない」と思っていたら、それはおそらく正しい感覚です。
早いテンポの洋楽を聴いていれば、そのスピードについていけるのでは?
管理人がニュージーランドに語学留学する前、独学でしていた英語の勉強方法は「早いテンポの洋楽を聴く」ことでした。洋楽にもたくさん種類がありますが、同じ英語でも聞き取りやすいアーティストと聞き取りにくいアーティストは存在すると思っています。
管理人が思う聞き取りにくいアーティストの代表は、「マイケルジャクソン」です。逆に聞き取りやすいアーティストは「アヴリルラヴィーン」です。
マイケルジャクソンの曲は歌詞を見ながら聴いていてもよくわからず、アヴリルラヴィーンの曲は歌詞がわからなくても単語が聞き取りやすいと思っていました。なので、アヴリルラヴィーンの「Sk8er Boi」を集中して聴くことにしました。この曲、かなりテンポが早い曲ですよね?
歌うスピードと、話すスピードはまったく違う
ある程度「Sk8er Boi」のスピードに慣れたと自覚でき、ニュージーランドに向かう飛行機や空港内の英語アナウンスの聞き取りを実践してみました。ですが、そのアナウンスすらほとんど聞き取れませんでした。便名や気象状況など、推測しやすい内容のアナウンスにもかかわらずです。
いざニュージーランドに到着したとき、ホームステイ先に送ってくれる運転手と英語で会話をしてみました。しかし、まったくと言っていいほど会話ができませんでした。
自信が完全に崩れ去った状態でホームステイ先に到着し、ホストファミリーと会話をします。ですがここでも、ファミリーが何を言っているのかほとんどわかりませんでした。最初の顔合わせのあいさつなので、それほど難しい内容ではないにもかかわらずです。訊かれた内容もほとんどわからないまま、「yes」と言うしかありませんでした。
「洋楽のスピードに慣れたところで、実際の会話にはまったくついていけない」ということを留学生活初日で痛感しました。
なぜこれほどまでに聞き取れないのか?
外国語であれば当然、知らない単語や馴染みのない発音など、わからないことは多々あります。まったく馴染みのない言語はいくら聞いたところで、理解できないのは当然のことです。
しかし英語に関しては、誰でも義務教育期間に最低3年間は勉強しています。基礎的な知識も会話の流れも、なんとなくはわかっているはずです。なのに実際の会話になると、知っているはずの単語すら聞き取れなくなってしまうのはなぜなのでしょうか?
ホストファザーから言われたことがあります。
「人間は自分が話すスピード以上のことは聞き取れない。だからスムーズな英会話を習得したければ、できるだけ早いスピードで話すことを心がけるんだ」
みなさんはこの事実を知っていましたか?
「英語はできる限り早いスピードで話しましょう」と学校の先生に言われたことがありますか?おそらくないと思います。
なぜなら、日本の教育とは真逆の教えなのですから。
日本人が話すスピードが遅いのは教育の賜物のせい?
「早口でしゃべると聞き取れないから、ゆっくりしゃべりなさい」
「面接で早口はマイナスです」
学校でこう言われませんでしたか?早口で話すことは注意されても、スピードが遅いことを注意されたことのある方はいないと思います。
「ゆっくりはっきり、相手が聞き取りやすいように話しなさい」
この教育方針のせいで、ゆっくり話すことが正解だと思われてしまっています。だから日本人の耳は、早いスピードで聞くことに慣れていないのです。
この上さらに、日本の悪習慣が日本人の聞き取り能力を奪っている
日常生活に密接しているある習慣が、さらに日本人の耳を劣化させていると管理人は確信しています。それはテレビ番組のテロップです。
どうでもいい内容の音声を、いちいちテロップで流していますよね?「この程度のこと聞き取れるわ!」という内容もお構いなしにテロップで流しています。生放送やドラマ、アニメ以外の番組は、ほぼすべてそうなっていると言っても過言ではありません。
早送りで番組を見ているとわかると思うのですが、音声がまったく聞こえない状態でもテロップは流れ続けているので、番組の内容は理解できます。このことから言えることは、我々は「聞く代わりに、目で情報を入手している」ということです。
「学校で早く話すことを封じられたことで、聞き取れるスピードが遅くなっている」
「弾幕のように流れるテロップのせいで、聞き取る作業すら不要になっている」
これでリスニング能力が鍛えられるでしょうか?鍛えられるわけがありません。聞かなくてもいいような生活環境になっているのですから。
外国のテレビ番組には、出演者が話した内容をいちいち同じ言語でテロップに流したりはしません。リモコンの機能ボタンで「字幕」を表示させたときのみ、見られるようになっています。こんな過剰なサービス(ありがた迷惑)を行っているのは日本だけと言っていいでしょう。
これだけ甘やかされれば、英語が聞き取れなくても至極当然
日本人は知らず知らずのうちに、リスニング能力の訓練機会を奪われています。母国語の日本語ですら聞き取る必要がないのです。こんな甘やかされた状況の中で、ネイティブスピーカーの会話を聞き取れるようになるわけがありません。なのでやはり英会話力を真剣に身に着けたいのであれば、
・話すスピードを早める
・視覚情報に頼らず会話を聞く
ことは基礎の基礎であるとも言えます。
まとめ
語学留学経験者から言うと、日本人がいきなりニュージーランドに行って英語を勉強するのは相当に厳しいです。日本語すら聞き取る必要のなくなった日常生活の中で衰えきった聞き取り能力で、世界一と言われるスピードの英語を聞き取らなければならないのですから。
ですがニュージーランドの英語が聞き取れるようになれば、その他の国の英語や英語話者の会話も問題なく聞き取れるようになります。それはいくつかの国を渡り、様々な国籍の英語話者と話したことで確信できました。(それでも稀に、聞き取れるスピードを遥かに超えて話す人もいますが。)どうせ学ぶなら、世界最高速度の英語を学んだほうが後の人生には絶対にプラスになります。
どの国に英語の語学留学をするか迷っているのなら、この記事を参考にしてニュージーランドも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?
それではまた!
ブログには書けない裏話も満載!当時の感情のまま書き綴ったニュージーランド滞在記の英語版はこちらからどうぞ
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