チュニジア方言のアラビア語で曲を作れという啓示では!?
管理人プロフィール(英語版はこちら)を読んでくださった方はご存じかもしれませんが、管理人はシンガーソングライターとしての活動もしております。
この投稿では楽曲制作に関する話題も取り入れておりますので、楽曲制作に興味がある方が読んでも損のない投稿になると思っております。ちなみに今回制作した楽曲はこの曲です。
ハナミズキ - Cover ‑ 曲・歌詞:山神明智, 一青窈 | Spotify
楽曲の配信方法
制作した楽曲をSpotifyなどの音楽配信サービスに配信するためには、配信会社を通して楽曲を申請する必要があります。
今回管理人が利用した配信会社はTuneCore Japanという会社です。利用登録に費用はかからず、1曲配信ごとに年会費いくらという形で楽曲の配信が可能です。
たとえばシングル1曲を1年間配信したい場合には、1,551円(税込み)を支払えばSpotifyやYoutube Musicなどの大手各配信サービスに自分の楽曲を配信することができます。
(1年ごとに更新料がかかります。また、配信には審査があり、制作した楽曲が必ず配信できるとは限りませんのでご承知おきください。)
このTuneCore Japanに登録すると、不定期でイベントが開催されます。
今回の記事タイトルにもさせていただいた一青窈さんとのコラボイベントもそのひとつです。
イベント内容を簡単に説明すると、一青窈さんの名曲「ハナミズキ」の音源を利用して二次創作楽曲が自由に制作できるというものです。BGMや一青窈さんのボーカル音源が入手でき、各自創意工夫を重ねて自由に楽曲制作ができるという楽しいイベントです。
なので、管理人が直接一青窈さんにお会いしたわけではありません。お会いできるかもしれないのは、管理人の楽曲が一青窈さん本人に深く突き刺さった場合のみです(笑)。
チュニジアでの楽曲制作
楽曲制作のきっかけ
管理人がチュニジアに到着したのは2023年6月末ですが、到着日の翌日に上記の二次創作イベントの案内がありました。
「チュニジアに関する何かを使って楽曲制作をしてみろ」
そういう啓示ではないかと思い込むことにしました。しかし数日間はまったくアイデアが浮かびませんでした。
そもそも二次創作自体が今回初めての経験でしたので、制作方法からして一から勉強しなければなりませんでした。
「この楽曲制作はハードルが高すぎる」
開始早々諦めムードに飲み込まれてしまいました。
チュニジア人女性との幸運な出会い
チュニジアに到着する前から、言語交換アプリを通じて首都チュニスに住むチュニジア人女性とチャットをしていました。チャットを続けるうち、最初の週末にその女性と会うことになりました。週末に実際に顔を合わせ、彼女は管理人をチュニジア屈指の観光地であるシディ・ブ・サイドに連れて行ってくれました。
「チュニジアで困ったときには何でも言ってね。いつでも助けるから」
別れ際にはこう言ってくれました。観光を終え帰宅すると、突然楽曲制作のアイデアが閃きました。
「一青窈さんのボーカル部分はそのままに、アラビア語でバックコーラスとして参加しよう!」
楽曲制作開始
こうして楽曲制作を開始しました。
まず、バックコーラス部分に入れる歌詞の制作です。日本語から直接アラビア語に変換すると意味が通りづらくなるため、英語で制作した歌詞をアラビア語に変換することにしました。ですが管理人はアラビア語に対してまったく知識がないため、英語からアラビア語の翻訳は当然Google翻訳です(笑)。
さて、通常の状況であれば管理人にできる作詞作業はここまでです。しかし今の管理人には強い味方がいます。
ここからが、他の日本人には真似できない領域です。
チュニジア方言のアラビア語へ変換
先述のように、管理人にはGoogle翻訳されたアラビア語が正しいのかすら判断する術がありません。
そこでチュニジア人女性の友人の力を借ります。彼女は快く協力してくれることになりました。感謝してもしきれません。
彼女にしてもらう作業は、以下の3つです。
1. 管理人が作詞した「英語歌詞から標準アラビア語へ翻訳した歌詞」が正しいかどうかの確認
その友人のチュニジア人女性は英語が話せます。多少翻訳アプリに頼りましたが、先日の観光時はすべて英語でやりとりをしました。
なので翻訳元の言語が英語でないと、その翻訳が正しいのかどうか確認できません。オリジナルの歌詞を日本語で作詞した場合には、この時点で詰みます。彼女が歌詞の意味を理解できなければそもそもこの作業自体が成り立ちませんから。
英語の歌詞を左側に、標準アラビア語に翻訳した歌詞を右側に記載した文書ファイルを彼女と共有し、標準アラビア語の正しさを確認してもらいました。
こうして、英語から標準アラビア語への翻訳は100%に近い状況で完成しました。
2.標準アラビア語の歌詞の正しさを確認したら、それを「チュニジア方言のアラビア語の歌詞」に変換
日本語でも地域によってさまざまな方言があるように、アラビア語圏でも国によって方言や表現方法の違いがあります。
たとえば、標準アラビア語でのありがとうは「シュクラン」ですが、チュニジア方言のアラビア語だと「アイシュク」になります。同じアラビア語なのに、全然違いますよね?
Google翻訳では標準アラビア語への翻訳しかできませんので、チュニジア方言のアラビア語文章を入手するのはほぼ不可能です。
彼女には、管理人が作詞した英語の歌詞をチュニジア方言のアラビア語に翻訳してもらいました。
この段階で、ほぼ他の日本人には真似できないオリジナリティを持った歌詞が形になりました。
3.「チュニジア方言のアラビア語の歌詞」の音声データを作ってもらう
チュニジア方言のアラビア語の歌詞は完成しましたが、このままでは管理人は一切使えません。まったく読めないからです。
そこで彼女に最後の作業をお願いします。翻訳し終えた歌詞を読んだものを録音してもらい、その音声データを送ってもらうのです。
管理人のテリブルなリスニングスキルを鑑みて、歌詞を細かく区切って録音してもらいました。それらの音声データを送ってもらい、ひとつずつ確認していきます。
1か所長文のパートがあるのですが、その部分が早すぎて聞き取れないため、ゆっくりスピードで録音してもらった音声データもお願いしました。
こうしてすべての下準備が完了しました。進行が思った以上にスムーズに進んだことと、彼女の迅速な行動のおかげで、たった2日間で彼女に頼んだ作業は完了しました。しかも直接会うことなくオンラインのみで作業が完了しました。
わずか2週間前には会ったこともなかった人間に惜しみない協力をしてくれた彼女には感謝しかありません。
チュニジア方言のアラビア語の録音
ここからが今回の楽曲制作の最難関です。
彼女に送ってもらった音声データをひたすら聴き込み、ネイティブスピーカーの発音を練習しました。文字が読めないので、自分の耳だけが頼りです。
歌詞のすべてを曲の流れに合わせて吹き込んでいくという流れでは、管理人の記憶力がもちません。失敗するばかりなので、「1か所をひたすら練習→吹き込み」を繰り返していきました。
特に苦労したのが「ハナミズキ」の間奏部分に挿入する長文です。かなりの長文を20秒程度の間奏時間に収めなければならないため、ここだけはカタカナで発音を紙に書き出して吹き込みました。カタカナでチュニジア方言のアラビア語発音を正確に書き出すのは正直無理があるのですが、自分の声で吹き込むために他の有効な手段がありません。何度も何度も聴き込んで紙に書き出します。近年で最もリスニング作業に集中した時間でもありました。ようやく紙に書き出した後は、間奏時間に収まるよう、早口で発声して吹き込みます。とても苦労しましたが、なんとかバックコーラス部分の音声データは完成しました。
ちなみに音声を吹き込むのに使用したデバイスは、iPhoneに最初からインストールされているボイスメモです。
楽曲編集作業を終え、配信申請から配信開始まで
ここでは特に細かい作業内容は書きませんが、管理人は楽曲制作にAdobe premiere proのソフトを使っております。動画編集ができるのだから、その動画部分を抜いた編集作業だと思えば容易です。組み合わせる音源データを取捨選択し、楽曲を完成させました。
配信申請はTuneCore Japanの申請手順に従って進めていき、配信審査受付まで完了しました。翌日(実質数時間後)には配信審査に合格し、その翌日にはSpotify他各音楽配信サービスで配信開始されました。ちなみに今回の楽曲の配信利用料は無料です。(TuneCore Japan開催のイベントのため。)
楽曲制作のアイデアを閃いてから実際の配信まで1週間かからずに完了できたことには、自分でも驚いています。実際に配信されている楽曲がこちらです。
ハナミズキ - Cover ‑ 曲・歌詞:山神明智, 一青窈 | Spotify
まとめ
以上がチュニジアで制作した楽曲の経緯です。チュニジア到着後すぐにチュニジア人の友人ができ、さらにその友人から最大限の協力を得られたのです。まさに神が与えた啓示に他ならないと思いませんか?
「この一青窈さんとのコラボ曲は、できるべくしてできたものなのだ」
そう思えて仕方ありません。製作作業が思っていたよりもはるかに速いスピードで完了したのも驚くばかりです。
もしあなたが楽曲制作に興味があり、アイデアに困っているのならばぜひチュニジアに来てみませんか?管理人のように神からの啓示があるかもしれません(笑)。
それではまた!
今回紹介した楽曲はこちらから
ハナミズキ - Cover ‑ 曲・歌詞:山神明智, 一青窈 | Spotify
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